あんしんライフよこすか

「失敗しない老人ホームの選び方」は本当に可能か?

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何度か、「失敗しない老人ホームの選び方」について書いてきました。
そして介護は「ある日突然やってくる」という事も何度も書いてきました。

核家族化が進んでいる、高齢者の方たちに高齢者施設は必要不可欠となっているからです。
入る・入らないは別として、知識として持っている必要があるという事ですね。

今回は実例から、ちょっと考えてもらいますよ~~~

当社にきたご相談の一つです。

今回の主役は78歳の女性です。
介護等もなく、高齢者というにはまだ若いですが、非常に元気なおばあちゃんです。
駅からは少々遠いですが、坂がきつい場所でもなく、また、スーパーが近くにあるので一人で気ままに住まわれていました。

ご主人は数年前に病気で他界。
お子様は2人ですが、ご結婚されて別の地域でマンション住まいです。

事の経緯ですが、風邪をこじらせ肺炎で緊急入院(コロナではありません)。
一時危ないタイミングもありましたが、3週間ほど入院して無事治療が終了しました。
このタイミングで、病院から「退院を・・・」といわれました。

医療的処置は完了していますので、当然といえば当然。
「おめでとう」となるはずですが・・・
独居ということもあり、病院からは「自宅は無理では?」と言われてしまいました。
さぁ、老人ホーム探しのスタートです。

何となく流れで「老人ホーム探しのスタート」と書きましたが、ちょっと待て、おかしくないか?
入院前には元気で一人暮らしをしていた方です。
完治して戻るだけだから、なぜ「自宅では無理では?」となるのでしょう?

実は・・・
入院して1週間ぐらいが過ぎたころ、言動が少しおかしくなって来たらしいです。
・看護師さんに「あれ取ってほしい」と具体的な物の名前が出にくくなり、「あれ」「これ」というようになってきた。
・テレビを見ていても、内容が入っていない様子。
・娘さんがお散歩に行こうと誘っても、面倒がって動かなくなってきた。
等々、軽い認知障害が出てきていました。

結果として、ご家族は病院のソーシャルワーカーから呼び出され「自宅は無理では?」と言われてしまいました。
2人のお子様は「……」です。

さらに「もし難しいということであれば、老人ホームに入居するという方法もあります。探してみてはどうでしょうか?」
と突然言われ、またもや「……」です。

そして、「医療的な処置は完了し、主治医からは退院の許可が出ています。ついては来週の●曜日までに退院していただきたいのですが」
そしてまた2人は「……」です。

実はこのケース、本当によくある話なんです。

病院から退院勧告が出され「時間がない」という状況で老人ホームを探し始めます。
このような探し方で失敗しない老人ホームの探し方などあるはずもありません。
これでは、「何でもいいから入れるホームがあればいい」という気持ちになってしまいます。
これが現実です。

よく考えてみてください。
インフルエンザ等で動けず、数日間ベットの上で寝たきりの生活をした経験は誰しもがあると思います。
その後しばらくの間、歩きにくくなったり、頭がボーッとしたりしますよね?

ましてや高齢者です。
長い間、寝込んだら元に戻ることは難しいと考えるべきなのです。

実はそれまで元気で何不自由なく生活をしていた高齢者が、ふとした原因で要介護状態になってしまうことは、珍しいことではありません。
むしろ高齢者が入院した場合には、要介護状態になって戻ってくると覚悟したほうが良いと思います。

実は、我々の所に来るタイミングで一番多いのが、具体的に困った事態が起きて初めて「老人ホーム探し」に着手するというケース。
困らないと動けない。日本人の悪いところですかね・・・

ですが・・・正直言って、遅いんです。
多くの人の老人ホーム探しは、いざ土壇場になってから始まります。

つまり、「老人ホーム選び」ではなく「老人ホーム探し」となってしまいます。
選んでいる場合ではない・・・という事ですね。
お子様2人は、1週間ぐらいの間に老人ホームを探さなければならなくなりました。

本当によくあるケースなので、検討の順番等を記していきましょう。
大切なのは”急いで”です。

まず、お子様の自宅に引き取ることは出来ないか?検討してください。
不可となった場合、予算と場所を決める必要があります。
①、ご本人の年金金額
②、ご本人の預貯金金額
③、その他の財産
を全て洗い出してもらいます。

次に場所です。
場所を探す際に重要なのは、主たる介護者です。
つまり、お子様の内どちらが介護のメインになるか?を決めてもらいます。

そしてこのタイミングでは通常の「老人ホームの選び方」で考える方法とは逆に考えます。
「選び方」では、入所者のご希望を最優先で考えます。当たり前だと思いますよね?
ですが、
「探し方」では、主たる介護者が行きやすい場所を選びます。

例えば・・・
主たる介護者がお車を使えるのであれば、駅近くでなくても良いですよね。
主たる介護書の家から近い方が良ければ、そこで探し他方が良いです。
運営会社が気になるなら、選別が必要になります。
新しい・古い等も気になるなら考慮に入れましょう。

ただし、あくまで主たる介護書が行きやすい場所がメインになります。

冷たい言い方ですが、ご本人のご希望はその後となります。
とにかく受け入れてくれる老人ホームを探す・・・この1点で動くことが必要になります。
その上で、早急に見つけた施設を見学し、気に入れば契約へと移っていきます。

今回は、介護は「ある日突然やってくる」という具体的な例をご説明してみました。

ちなみにこの方は、認知症の度合いも少なく、施設に関しても主たる介護者とご意見が一致。
また預貯金がかなりありましたので、ご希望の施設に入所することができました。

良かった、良かったという話ですが、要するにギリギリだと「選ぶ」ではなく「探す」になってしまうという話です。。。
ぜひ予め「選ぶ」を考えてみてくださいね。




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