前回に引き続き、『法定相続って何？』②です。
前回の事、覚えてますか？
ちょっと、振り返りますと・・・
◆相続・・・ある人が死亡したときに、その人が持っていた財産が、配偶者や子など一定の関係にある人に引き継がれること
◆被相続人・・・死亡した人のこと
◆相続人・・・引き継がれる財産を取得（承継）する人のこと
◆相続財産・・・被相続人から相続人に引き継がれる財産のこと
（プラス財産・マイナス財産あり）
・プラス財産・・・不動産、預貯金、有価証券、車、賃借権など
・マイナス財産・・・借金、保証債務など
◆一身専属権・・・被相続人のみが有する権利のこと（原則、相続財産ではない）
ってな感じでしたね。
第2回目は・・・「相続できる人」と「順位」についてです。
これは意外と聞かれますし、ごちゃごちゃになってる方がいますね。
ここでしっかりと覚えてしまいましょう。
前回「一定の関係にある人が引き継ぐ」と書きましたが、相続できる人とその順位は、民法で決められています。
民法で決められた相続できる人のことを「法定相続人」といいます。
「法」で「定」めた「相続人」ですね。
ちなみに、必ず相続人になる人は配偶者です。
被相続人に配偶者（夫や妻）がいれば必ず相続人となります。
配偶者以外の相続人の順位は以下の通りです。
ただし第一順位から第三順位の相続人が全くいない場合には、配偶者がすべてを相続します。
反対に、配偶者がいない場合には、第一順位から第三順位の相続人がすべてを相続します。
それでは、順位の発表です！！
第一順位：子
これは分かりやすいですね。
ちなみに、「子」には、実子はもちろんのこと、養子も含まれます。
結婚して姓が変わっても、親子であるということには変わりありませんから、相続人となります。
一方で、婚姻に際して夫の方が妻の姓に変更する場合もありますね。
この場合は夫が妻側の両親についての相続人となるわけではありません。
また、養子もOKという事は、上記でも書きましたが、内縁関係の間の子もOKという事ですし、
例えば、事情があって子の配偶者に相続させたい場合には、生前に養子縁組をしておけばOKです。
では、配偶者と離婚するとどうなるのでしょうか？
離婚すると元配偶者の相続権はなくなりますが、親子関係は消滅しないので、親権の有無に関係なく、子は相続人となります。
まとめると、養子を含め「子」は第一順位で相続人となります。
第二順位:両親や祖父母などの直系尊属
被相続人に子や孫がいない場合に、親がいれば親が相続人です。
親がすでに亡くなっていても、祖父母がいる場合は祖父母が相続人となります。
被相続人が若くして亡くなった場合などには、第二順位の相続が開始することがあります。
第三順位:兄弟姉妹
第一順位と第二順位の相続人がいない場合、つまり、被相続人に子や孫がおらず、両親や祖父母も亡くなっている場合、第三順位として兄弟姉妹が相続人となります。
現在では兄弟姉妹は2、3人のケースが多いのですが、高齢の方の相続で第一順位の相続人がいない場合には、10人近くの兄弟姉妹が相続人となることも珍しくありません。
第四順位：なし
第四順位はいません！！
つまり、第三順位で全てを相続します。
では第四順位まで誰もいない場合はどうなるのでしょうか？
これは・・・国庫に帰属となります。
分かりましたか？
ちなみに、遺産相続では、「法定相続より遺言が優先される」という大原則があります。
例えば、「Aさんに全額相続させる」という遺言書がある場合、当然全額Aさんに遺産が行ってしまうのですが、本来の相続人にまったく相続の分与がないと生活に困窮する場合があります。
そこで、そのような時にも相続人は最低限の相続分を要求できるようにするために、民法では遺族の法定相続人としての権利や利益を守るために、遺族が相続できる最低限度の相続分を「遺留分」として規定しています。
ただし！！
この遺留分は第三順位の兄弟姉妹にはありませんのでご注意くださいね。
「兄弟姉妹の遺産を宛にしなくても生活できるでしょ。」という事ですね。
さぁ、まとめますよ。
法定相続の場合、『配偶者+上位順位者』と覚えてしまいましょう。
そして、上位順位者が誰もいなければ、『配偶者のみ』
配偶者がいなければ『上位順位者』となります。
いや～色々ありますね。
ではまた次回です！！
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